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京の詩季彩
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京都を歩けば石茂に当たる・石茂 芳村石材店
石茂 芳村石材店
東堀川通に面した店頭には、墓石や燈籠から、かわいい小物までいろいろな商品が並んでいます

京石工発祥の白川村で創業
 石の加工を行う石工の技術を辿れば、古くは古墳時代にまで遡ります。仏教伝来後は寺院の礎石のほか石像や燈籠など加工度の高いものも作られるようになり、技術も時代を下るに従い高度なものとなってきました。
 京都では白川石を産出する白川村(現在の左京区北白川)が京石工発祥の地と言われていますが、芳村石材店さんが、その白川の地で創業されたのは江戸享保年間(1716-36)のこと。その後文政十三年(1830)、現在店を構えておられる東堀川椹木町に移転され、今に至るまで数多くの社寺建築や土木工事に携わって来られました。4代目にあたる先代までは代々「芳村茂右衛門」の名前を襲名されており、「石茂」の屋号で知られています。
 明治14年に発行された京都の商工名鑑とも言うべき「都の魁」という版画摺り和綴本の中には、堀川が運河として利用されている様子と共に、芳村石材店さんの店頭が「石工の部」で紹介されています。

店内の床はもちろん石敷き
お店の奥にある燈籠などが並べられたお庭
墓石コーナーには有名寺院御用達の看板がズラリと並ぶ
店内の床はもちろん石敷き。磨かれた石は鏡のような美しさがあります
お店の奥には燈籠などが並べられたお庭があります。現代的なデザインのものもあるのでご参考に
京都の有名寺院御用達の看板がズラリと並ぶ墓石コーナー

店内には石工が使用していた道具類も展示されています。機械化が進んだものの現在でも同じような道具が使われているそうです
表面を加工するための「びしゃん」という道具。こまかな凸凹が石の風合いを増します
「都の魁」に掲載された明治14年当時の芳村石材店。堀川が運河として使われていたことがよく分かります

京都を歩けば石茂に当たる・石茂 芳村石材店

石の新しい魅力を提案
 今回お話しを伺った常務取締役の山田さんの前職は東京の広告企画会社のプランナーという全く畑違いのお仕事。40歳を過ぎてから奥様のご実家の家業への転職でしたが、京都の土地柄と石材店の仕事については、初めての事が多く戸惑いもあったものの、時代を超えて残る仕事に魅力を感じたとのこと。社寺建築と密接に関わってきた文化的背景にも奥深さを感じたと同時に、石の持つ美しさはもちろん、冷たさや、重さも魅力に変わると話してくださいました。
 そんな山田さんが一般の家庭でも石に親しんで欲しいと、芳村石材店さんでは身近に使える商品をいろいろと店頭に並べておられます。例えば御影石製の「マウスパッド」。石材そのものの模様がきれいなことはもちろんですが、光学式マウスの反応がスムーズで使い勝手が非常にいいとのこと。芳村石材店さんの事務所でもしっかり使っておられました。
 他にも麺打ちなどに使う「クッキングボード」や、水をおいしくする効果があるという「麦飯石」など、様々な商品が並んでいますが、注目したいのがペット関係の品々。御影石のクーラーベッドは夏場ひんやりしてワンちゃんが喜びそうですし、見た目もすっきりして部屋の雰囲気を壊すこともありません。またユニークなペット墓も扱っておられます。生前の姿に似せた石像の中に、遺骨を納められるように工夫されたものや、プレートに姿や名前を彫ったものなど、家族の一員として過ごしたペットへの思い出を大切にできるお墓を提案されています。

※これらの商品は芳村石材店さんが運営する天然石グッズ専門店のWEBサイト「TenNen(テンネン)」にてオンラインショッピングできます。
常務取締役の山田俊行さん
お話しを伺った常務取締役の山田俊行さん。これからも新しいアイデアが楽しみです

石製のステーショナリーもいろいろあります
ペーパーウエイトなどステーショナリーもいろいろ。本物の質感が落ち着いた雰囲気を醸し出します

御影石製のマウスパッド
大理石のクッキングボード
大理石のワインラック
御影石製のマウスパッド。色目も数種類あるのでお部屋の雰囲気に合わせて選べます
麺打ちやパン作りに使える大理石のクッキングボード。これで料理の腕も上達するかも
こちらはワインラック。これを使えばレストランのような雰囲気に。重ねて使うのもおしゃれ

ペット墓
麦飯石
かわいい動物をかたどった人形
ペット墓。プレートには名前や、命日、生前の写真を入れることもでき、遺骨を中に納めることも可能
「麦飯(ばくはん)石」には飲料水用とお風呂用の2種類があります。洗って天日に干せば何度でも利用可能です。
かわいい動物をかたどった人形もたくさん並んでいます

京都を歩けば芳村石材店さんの仕事に当たる
 芳村石材店さんを紹介するときに、京都で代々されてきた社寺や公共工事のお仕事を外すわけにはいきません。古いところでは江戸時代に北野天満宮に納められた宮燈籠が現在でも境内で見ることができます。また「京都狛犬巡り」(小寺慶昭著、ナカニシヤ出版)という本の中には、京都の狛犬造りの名工として芳村石材店さんの名が挙げられ、その作品として明治時代に納められた北野天満宮や上御霊神社などの狛犬が紹介されています。土木工事では、明治時代の琵琶湖疏水などにも携わっておられる歴史があります。
 最近の作品では、晴明神社境内にある式神像がひときわ目を引きます。少しアニメチックに造られていますが、これは山田さんがデザイナーの前職を生かしラフスケッチを作成されたものだとか。晴明神社では、他にも五芒星を象った晴明井も芳村石材店さんのお仕事です。
北野天満宮の狛犬(1888)
北野天満宮の狛犬(1888)
台座に「明治二十一年三月建 石工 芳村茂右エ門」の字が見える

晴明神社の式神像(2004)
晴明神社の式神像の粘土製の型
晴明神社の晴明井(2004)
晴明神社の式神像(2004)
晴明神社の式神像を製作する際に最初に作られた粘土製の型。本物より小さく作られています
晴明神社の晴明井(2004)

 最近のものには芳村石材店さんの銘を入れないことが多いそうですが、お寺や神社を巡ったとき、知らず知らずのうちに芳村石材店さんの仕事に出会っていることもあるでしょう。注意深く燈籠や鳥居に刻まれた石工の名前を見てみれば「芳村茂右衛門」の名前を発見できるかもしれません。
チベットの摩尼車を元にした「鈴成り輪」
長慶天皇嵯峨東陵の石垣(1941)
長慶天皇嵯峨東陵の石垣(1941)
チベットの摩尼車を元にした「鈴成り輪」。回すと鈴の音が。原型になったものが新京極の誠心院にも置かれています(右)

長岡天満宮の大鳥居(1998)
清水寺の石段(1924)
豊国神社の大鳥居(1935)
長岡天満宮の大鳥居(1998)
清水寺の石段(1924)
豊国神社の大鳥居(1935)

神泉苑の石垣修復(2002)
琵琶湖疏水第三トンネル出口(1890)
京都市西京極総合運動公園(1984)
神泉苑の石垣修復(2002)
琵琶湖疏水第三トンネル出口(1890)
京都市西京極総合運動公園(1984)
( ライター:林宏樹 )

※この記事の情報は公開時( 2006-03-24 )のものです。

京の詩季彩芳村石材店
周辺案内アンケート印刷用ページ
京都市上京区東堀川通椹木町上ル五町目208
TEL : 075-211-2711

アクセス 地下鉄丸太町駅より徒歩約10分
市バス堀川丸太町停留所よりすぐ

駐車場 あり

時間 8:00〜17:30

休み 定休日なし(年末年始、お盆のみ休業)


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