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京の詩季彩
 > HOME京の詩季彩 > 御幸町 関東屋
料理人御用達の手間暇かけた京の白味噌・御幸町 関東屋
京都の料理人に愛される白味噌
 白味噌の歴史を紐解くと、甘味が貴重だったその昔、宮中で食されていたものが次第に庶民の間にも広がっていき、特に京都で独自の発展を遂げたとのこと。冷蔵設備が整う以前は、主に冬場のみ製造されていたことなどを考えても、京都の冬には欠かせない食材と言えるでしょう。
 そんな白味噌を、現在でも丁寧に糀から作っておられるのが、京都御苑にほど近い御幸町(ごこまち)通にお店を構える御幸町 関東屋さんです。創業は江戸年間の弘化四年(1847)。150年以上にわたって京の洛中で味噌造りをされています。
 京都の白味噌と聞いて、他の味噌屋さんを思い起こされた方も多いでしょうが、それもそのはず。御幸町 関東屋さんが、本格的に店を構えて小売りを始められたのは、まだ10年ほどのこと。主に料理屋さんや、お菓子屋さんなど業務用関係に味噌を販売されていたお店で、一般にはなかなか手に入りにくい老舗だったのです。永年料理屋さんとお付き合いされ、納得してもらえる味噌を作って来られた歴史は、現在でも手作業の良さを活かしながら、目の届く範囲でお客さんに喜んでもらえる味噌造りを目指しておられる姿勢に表れているように思います。
御幸町 関東屋さんの店構え
御所のすぐ近くに店を構える御幸町 関東屋さんの店構え。奥が工場になっており、ま さに製造直販

関東屋忠兵衛相傳白味噌
木樽詰の「関東屋忠兵衛相傳白味噌」。創業当時のレシピを再現して作られています。冬期限定醸造(12月〜2月頃まで)

蔵の中にある赤味噌醸造用の大樽
店内の壁に昔の道具などが展示
入り口前に流れている地下水
創業当時からある蔵の中には、赤味噌醸造用の大樽が。樽を作る職人さんも減り、樽の維持管理も難しいのだとか
店内の壁に御幸町 関東屋さんの歴史を物語る昔の道具などが展示されています
味噌作りに使われる水は、地下60メートルから汲み上げた京の地下水。御所の近くには名水処もたくさんあります

御幸町 関東屋

昔使われていた味噌をすりつぶす臼
昔使われていた味噌をすりつぶす臼。地方の味噌は網で漉すものが多いのに対し、京都の味噌はすりつぶすのも特徴のひとつ
糀を育てる手間暇は惜しまない
 6代目にあたる西田有一郎さんにお話しを伺うと、味噌の良し悪しは糀(麹)で決まるとのこと。特に白味噌は、赤味噌に比べ糀をたくさん使用するため、糀作りは最も重要な作業のひとつとなります。現在では機械化が進み、糀作りもオートメーション化が可能な作業ですが、御幸町 関東屋さんでは温度センサーなどを導入しつつも、必ず手作業で糀造りをされています。「麹菌は生き物ですので、場所によって温度も生育具合も変わってきます。手作業でやると温度ムラがしっかり分かります」と説明してくださいましたが、最後に言われた「糀の顔を見てやる」という言葉が、御幸町 関東屋さんが手作業にこだわられる意味をよく表しているような気がします。
 この糀作りは、米を一晩水につけたあと、蒸して、麹菌を混ぜ、丸2日間寝かせるという長時間にわたる作業。糀を寝かせる間にも、温度管理はもちろんのこと、空気の通りを良くしたり、麹菌をむらなく生育させるため、数時間おきに糀を混ぜる作業が入ります。時に深夜にも及ぶ作業を経て、ようやく米糀が完成となるのです。白味噌の製造が最盛期となる12月には、この作業を2週間で7回もされるとのこと。
 おいしい白味噌の裏には、大変な手間暇が隠されているのでした。

木ぶたに盛られた糀
木の糀ぶたに盛っておられるところ
糀用のお米を蒸すための甑
木ぶたに盛られた糀。すでに麹菌が米粒の周りにびっしりとついた状態で、さわると固まっています
室の中で糀を木の糀ぶたに盛っておられるところ。1枚に約1キロづつ盛られます
糀用のお米を蒸すための甑(こしき)。西田さんに特別に蒸気を出していただきました

御幸町 関東屋

難しい注文にも応える職人の心意気
 西田さんにお話しを聞かせて頂く中で、何回も出てきたのが「味を変えたらダメなんです。変えないことが基本です」ということば。この味と信用して買ってくださるお客さんに対する責任感を感じる言葉でしたが、難しいオーダーにも少量生産で応えておられる御幸町 関東屋さんでは、現在100種以上のレシピが存在するようになってしまったのだとか。 先日も、あるお菓子屋さんからシュークリームに使う白味噌が欲しいという注文があり、試作品を何度も作り直し、やっと製品化に結びついたとのこと。「短期的に考えれば完全に赤字ですよ。でも昔から技術を持ってやってきたもんが、お客さんの気持ちに応えて喜んでもらえたら嬉しいことです」と話される西田さんに言葉には、商売を越えた職人の心意気があるように思いました。
 店頭には白味噌以外にも、赤味噌、田舎味噌などたくさんのお味噌が並んでいます。四季の味噌としてブルーベリーやいちじくなどちょっと珍しい商品もありました。白味噌をドレッシングに使ったり、キムチ鍋に入れたりと、お雑煮やみそ汁だけでなく、ひと工夫でおいしく頂ける方法も教えてくださいました。
 お店に足を運ぶと、白味噌のイメージもちょっと変わるかもしれません。みなさんも是非一度足を運ばれてはいかがでしょう。
白味噌だけでも7種類
白味噌だけでも7種類販売されています。これだけの品揃えも御幸町 関東屋さんならでは

関東屋傳承白味噌
創業当時の製法を元に醸造された「関東屋傳承白味噌」。まろやかな熟成香と独特の甘みが楽しめます

四季のみそ
二段仕込田舎味噌
粟國の塩仕込白味噌
「四季のみそ」にはブルーベリーやいちじくなどジャム感覚で食べられる商品も。田楽味噌も各種揃っています
完成した味噌に、もう一度麹を加えて熟成させた「二段仕込田舎味噌」。コクと風味が特徴です
沖縄県の粟國島産の極上塩を使用した「粟國の塩仕込白味噌」。ミネラル分が多く甘みに特徴があります

御幸町 関東屋さんの店内
昔ながらの量り売り
甘酒の素
店内では御幸町 関東屋さんの商品が各種揃います。百貨店やスーパーにはあまり出されていないので是非お店の方へ
店頭では昔ながらの量り売りもされています。量り売りだけでも10種類以上のお味噌が並んでいます
冬場にはうれしい甘酒の素も。糀を使われる味噌屋さんならでは
( ライター:林宏樹 )

※この記事の情報は公開時( 2005-12-07 )のものです。

京の詩季彩御幸町 関東屋
周辺案内アンケート印刷用ページ
京都市中京区御幸町通夷川上ル松本町582
TEL : 075-231-1728

アクセス 地下鉄京都市役所前駅より徒歩約10分
市バス裁判所前停留所より徒歩約5分

駐車場 なし

時間 9:00〜18:00

休み 日曜日・祝日・第3土曜日


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